4
前半
0
4
後半
0
NADESHIKO JAPAN
日本女子代表
8
-
0
4
前半
0
4
後半
0
ARGENTINA
アルゼンチン女子代表
2'
田中美南
10'
長谷川唯
25'
高橋はな
39'
長谷川唯
61'
清家貴子
66'
杉田妃和
80'
植木理子
90'+2
清家貴子
KICK OFF
福岡/北九州スタジアム
STARTING MEMBER
21
GK
平尾知佳
4
FP
熊谷紗希(Cap.)
85' OUT
8
FP
猶本光
HT OUT
11
FP
田中美南
HT OUT
2
FP
清水梨紗
14
FP
長谷川唯
3
FP
南萌華
10
FP
長野風花
60' OUT
7
FP
宮澤ひなた
60' OUT
12
FP
高橋はな
13
FP
遠藤純
70' OUT
SUBSTITUTE
1
GK
山下杏也加
18
GK
田中桃子
5
FP
三宅史織
70' IN
17
FP
清家貴子
60' IN
19
FP
守屋都弥
6
FP
杉田妃和
HT IN
16
FP
林穂之香
60' IN
20
FP
三浦成美
85' IN
9
FP
植木理子
HT IN
22
FP
宝田沙織
23
FP
石川璃音
15
FP
藤野あおば
HEAD COACH
池田太
STARTING MEMBER
1
GK
バニナ・コレア(Cap.)
2
DF
アドリアナ・サクス
7
DF
ロミナ・ヌニェス
13
DF
ソフィア・ブラウン
6
DF
アルダナ・コメッティ
8
MF
ダイアナ・ファルファン
HT OUT
10
MF
ダリラ・イッポリト
70' OUT
16
MF
ロレナ・ベニテス
70' OUT
21
FW
エリカ・ロニグロ
HT OUT
9
FW
パウリナ・グラマリア
87' OUT
19
FW
マリアナ・ラロケッテ
HT OUT
SUBSTITUTE
12
GK
アビガイル・チャベス
4
DF
ネレア・アグエロ
HT IN
17
MF
マリセル・ペレイラ
70' IN
5
FW
カタリナ・ロッジェロネ
70' IN
20
FW
キアラ・シンガレラ
HT IN
11
FW
カタリナ・プリモ
HT IN
14
FW
パロマ・ファヒアノ
87' IN
HEAD COACH
ヘルマン・ポルタノバ
なでしこジャパン、
アルゼンチンに8-0で大勝
RESULT
JAPAN WOMEN'S NATIONAL TEAM日本女子代表
84 前半 04 後半 00
ARGENTINA WOMEN'S NATIONAL TEAMアルゼンチン女子代表
なでしこジャパン(日本女子代表)は9月23日(土)、北九州スタジアムで、FIFAランキング31位のアルゼンチン女子代表との国際親善試合に臨み、8-0で勝利しました。
会場には7,265人の観衆が詰めかけ、盛り上がりを見せる中、キックオフを迎えました。
積極的な守備で立ち上がりから主導権を握った日本は2分、田中選手が相手のミスを見逃さずにボールを奪い、左足で流し込んで先制します。10分には田中選手が倒されて得たPKを長谷川選手が冷静に決め、リードを2点に広げます。18分にはアルゼンチンが反撃を見せますが、マリアナ・ラロケッテ選手のミドルシュートは平尾選手がしっかりと防ぎました。
25分、日本は遠藤選手のクロスに高橋選手がダイビングヘッドで飛び込み、ゴールネットを揺らします。続く39分には中央を崩して、最後は長谷川選手が鮮やかにフィニッシュ。4-0として前半を折り返します。
池田監督は後半開始から、植木理子選手と地元・北九州市出身の杉田妃和選手を投入し、さらに攻撃のギアを上げます。60分には清家貴子選手と林穂之香選手がピッチに送り出され、61分には熊谷選手の縦パスから、最後は清家選手が押し込みました。
なおも攻撃の手を緩めない日本は、66分にロングボールに抜け出した杉田選手がゴール。80分には植木選手が自ら得たPKを沈め、試合終了間際には清家選手がGKバニナ・コレア選手の頭上を抜く技ありのループシュートで8-0のゴールラッシュを締めくくりました。
なでしこジャパンはこの後、26日(火)まで北九州市で活動を行い、その後は10月後半に行われるパリオリンピックのアジア2次予選へと向かいます。
池田太 監督(なでしこジャパン)
パリオリンピックのアジア2次予選に向けた準備として、自分たちがやれることを隙なくやっていこうと話しました。1-4-3-3の並びで試合に入りましたが、押し込んだ形から点が取れたり、コンビネーションの中でそれぞれのポジションの感覚を確かめられたりしたことは良かったです。90分間、集中力を切らさなかったメンタル面や持久力も評価したいと思います。攻撃のアクションやコンビネーションの中で動きがつながらなかった部分を振り返って修正していきます。
熊谷紗希 選手(ASローマ)
ボランチは所属チームで経験してきたポジションなので、普段通りにプレーできました。私がディフェンスラインの前でボールを奪えれば攻撃する位置が高くなるので、それが一番求められていることだと理解してプレーしました。前の選手たちが自由にプレーできるようにも心掛けました。試合の流れによって戦い方を変えたり、相手の立ち位置によって守備の形を変化させたりして幅を広げる意味でも、4-3-3のフォーメーションにチャレンジできて良かったと思います。
長谷川唯 選手(マンチェスター・シティ)
最近はあまり前のポジションをやっていなかったので、結果を出せて良かったですし、日本の皆さんになかなかプレーを見せられない中でゴールを見せられて良かったです。4-3-3にして新しい攻撃の形ができ、ゴールも多く取れたので、ポジティブなチャレンジができたと思います。ただ、ボールを失うシーンも多かったので、まだまだ高めていける部分があります。アジア予選は難しい戦いになると思いますが、このチームなら上に行けると思うので、良い準備をして臨みたいです。
杉田妃和 選手(ポートランド・ソーンズFC)
前半から良い形がつくれていたので、後半からピッチに入るときにはその流れを加速させて、自分が出ることで違いを見せたいと思っていました。家族や地元の友だちも来ていて温かい声援が聞こえましたし、ゴールを届けられてうれしいです。この新しいフォーメーションはいろいろなポジションの選手と関わって攻撃のバリエーションを増やせるので、相手も嫌がると思います。アジア予選では相手が引いて守ってくる場面もあると思いますが、今日はそういう相手から多くのゴールを取れたことは収穫だったと思います。
公益財団法人
日本サッカー協会
会長
田嶋 幸三
なでしこジャパン(日本女子代表)の国際親善試合にようこそ。オリンピック女子サッカートーナメントパリ2024アジア2次予選を1カ月後に控え、日本サッカー協会(JFA)はアルゼンチン女子代表を招いて、ここ北九州スタジアムでなでしこジャパンの国際親善試合を開催します。9大会連続のFIFA女子ワールドカップ出場を果たしたなでしこジャパンはベスト8で大会を終えましたが、同大会で優勝したスペインにグループステージで4-0の完勝を収めるなど、日本女子サッカー史上最高のパフォーマンスを見せてくれました。その優れた組織力と高い技術力になでしこジャパンの実力を再認識した人も多いと思います。なにより、ラウンド16進出チームの中で警告数が最少の1、退場ゼロというクリーンな戦いぶりと明るく礼儀正しい振る舞いが人々の心をつかんだことは特筆すべきことで、スウェーデンとの準々決勝の会場ではジャパンコールが起こるなど、その存在価値を世界に示してくれたと思います。今回、対戦するアルゼンチンとはこれまで5試合を戦っており、対戦成績は4勝1分け。日本優位とはいえ、最後に対戦した2019年のFIFA女子ワールドカップフランス大会ではアルゼンチンが堅守を発揮し、スコアレスで引き分けました。パリオリンピックの出場権は逃していますが、昨年のコパ・アメリカ・フェミニーナではブラジル、コロンビアに次いで3位を確保。早くも4年後のワールドカップを見据えてチーム強化を進めているはずです。両チームがそれぞれの持ち味を生かし、最高のゲームを見せてくれるものと期待しています。最後になりましたが、本大会を協賛いただく各社をはじめ、福岡県サッカー協会、北九州市、北九州市教育委員会の関係者の皆さま、ボランティアの皆さまに心から感謝を申し上げます。
なでしこジャパンが
もう一つ成長するために
なでしこジャパン(日本女子代表)監督
池田 太
※本インタビューは9月14日に実施しました。
―――FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023で、日本は前回大会を上回るベスト8という結果でした。
池田 これまで自分たちが積み上げてきたことを生かし、ワールドカップという舞台で選手たちと思い切り戦うことができました。グループステージを全勝で突破してノックアウトステージに向かっていきましたが、そこではベスト8で大会を去ることになったので、ワールドカップの最大7試合まで戦えなかった悔しい思いがあります。その中でも、日本チームのストロングである俊敏性を生かして人が多く関わる攻撃を仕掛け、相手ゴールに向かうところは発揮できましたし、90分間粘り強く最後まで戦うメンタルを含めた持久力も見せられたのではないかと思います。
―――日本はグループステージ第3節で、結果的に大会初優勝したスペインを4-0で破る好ゲームもありました。
池田 ノックアウトステージ進出を決めていた状況だったので、スペイン戦に対してはいろいろな考え方や捉え方ができますが、その部分でチーム内がバラバラにならないよう、ミーティングではスペインに勝ってノックアウトステージに進もうと、選手としっかり共有して準備を進めました。その一方でスペインという成長著しいチームを相手にするので、それまでの試合と違いボールを持たれる時間は長くなるという予想もしていました。そこで、スペインにボールを保持されてもストレスに感じず、相手が攻撃のためにスペースを空けたり、両サイドバックが高い位置のポジションを取ったりするのを見逃さないようにと選手とも会話をしていました。こちらがボールを奪った瞬間に空いているスペースを共有して、特長を持った選手たちが予測を持ちながら走って、ゴールに結びつけることができました。
―――日本が1-2で敗れた準々決勝のスウェーデン戦はどのように振り返りますか?
池田 今大会で見せていた、良い守備から良い攻撃に移る戦い方はチームの自信になったと思いますが、スウェーデン戦を振り返るとやや守備のマインドが多くを占めてしまったかなと思います。われわれも狙いを持って準備してきたところがあったんですが、スウェーデンは日本の長所を消すために中盤でしっかり戦って、一人ひとりの強みを出してきたので、まずはチームとしても個人としても、それをかいくぐる力をつけないといけないと感じました。ただ、後半には相手が体力を消耗したことでこちらが圧をかけられるようになり、終盤にペースをつかむことができて1点を返せました。スウェーデンは2年前の東京オリンピックで準優勝しており、円熟期を迎えているチームでしたが、そんな相手にもわれわれは上回れる力をつけていかないといけないと感じました。
―――ワールドカップで見えたものとは何でしょうか?
池田 選手たちが集中力を90分間保ったゲームができた一方、スペイン戦などは相手にボールを動かされてしまったので、強豪相手にもわれわれがボールを持ってゲームをコントロールする力をつけていかなければならないとも感じました。例えば中2日で行われるパリオリンピックのアジア2次予選や、夏場に行われるパリオリンピック本大会を考慮すると、体力の消耗が激しくなることが予想されます。開催まで1年を切ったパリオリンピックを見据えると、次になでしこジャパンがもう一つ大きく成長するためには、ゲームをコントロールする要素もより必要です。
―――スペインの初優勝や、当時世界ランキング1位のアメリカの早期敗退など、女子サッカーにおける勢力図の変化も印象的でした。
池田 例えば、これまで強豪国という枠に入っていなかったようなチームであっても、それぞれに特長を持った選手がいて、戦い方も明確なチームが多かった印象です。どんなに実力のあるチームであっても、しっかり準備して1試合1試合に臨まなければ勝ち上がっていけない、そんなシビアな面が見えた大会となりました。特にアメリカの早期敗退や、ドイツ、カナダ、ブラジルのグループステージ敗退は、そういったことを感じさせました。
―――そして9月23日に行われる国際親善試合では、ワールドカップにも出場したアルゼンチンを迎えます。
池田 アルゼンチンは南米らしい個の能力を持った選手がいて、チームとしては狭いスペースでもボールを受けてパスをつないでくる印象です。ワールドカップの戦いを見てもアグレッシブで長所を持ったチームなので、われわれはそれに対して意図的に攻撃を仕掛けたいと思っています。アルゼンチンに勝利することはもちろん、10月26日からはパリオリンピックのアジア2次予選を控えているので、そこに向けても強度の高い試合を経験できることは非常にうれしいことです。
―――パリオリンピックに向け、早くも選手たちのサバイバルが北九州スタジアムから始まります。
池田 今回のアルゼンチン戦はワールドカップメンバーをベースとした構成となりましたが、パリオリンピックに向けての競争はすでに始まっています。ワールドカップ後に、日常の環境を変えて新しい挑戦を始めた選手も含め、すべての選手に成長を期待しています。
―――パリオリンピック本大会に進むには、2つの枠しかない非常に厳しいアジア予選を勝ち進まなければいけません。
池田 アジア2次予選後、来年2月に予定している最終予選はホームアンドアウェイとなります。今回のアルゼンチン戦、アジア2次予選ももちろんですが、その最終予選ではホームでなでしこジャパンと一緒に戦ってくれるサポーターの皆さんの応援が、選手たちの背中を押してくれるはずです。先のワールドカップに続いて、今回のアルゼンチン戦、アジア2次予選、そして最終予選と、ぜひなでしこジャパンへの応援を引き続きお願いしたいと思います。
―――池田監督は2012年から2016年まで、アビスパ福岡でコーチなどをされました。福岡県での思い出などありますか?
池田 福岡で過ごした日々で感じたのは、山笠やどんたくといった祭りでも感じ取れるように、街には活気がありますし、野球を含めたスポーツ熱が高いということです。2019年11月10日のMS&ADカップ2019 南アフリカ女子代表戦(○2-0)も北九州スタジアムで見ましたが、そのときの雰囲気もとても良かったので、ワールドカップ後初の国際親善試合を、福岡で開催できることを本当にうれしく思っています。ぜひ、なでしこジャパンの選手たちがピッチ上で見せる躍動を感じていただきたいですし、北九州スタジアムに見に来てくださった方々やテレビでご覧になる皆さんと、ゴールや勝利の喜びを共有し、ぜひ女子サッカーの魅力や楽しさを伝えたいと思っています。
―――最後に、今回のアルゼンチン戦や来夏のパリオリンピックに向けた抱負をお願いします。
池田 多くの皆さんの熱い応援により、ワールドカップではなでしこジャパンらしい戦いを見せることができたと思います。パリオリンピックに向けて、また皆さんに応援してもらえるような、そして元気を与えられるようなチームを作っていきたいと思います。今回のアルゼンチン戦は、パリオリンピックに向けたリスタートとなる非常に重要な一戦です。約1年後のパリオリンピックに向けても、期待が高まる試合になればと思いますので、熱い応援をよろしくお願いいたします。
■過去のインタビュー掲載プログラム
2023年7月14日 パナマ戦池田 太[いけだ ふとし]
なでしこジャパン(日本女子代表)監督
1970年10月4日生まれ、東京都出身
大学卒業後、1993年から浦和レッズでプレー。96年限りで現役を引退し、翌97年に浦和のユースコーチに就任する。以降、浦和ユースチームのコーチ・監督を務め、02年から08年までは浦和トップチームのコーチを務めた。12年から16年まではアビスパ福岡のコーチを担当。17年にU-19日本女子代表監督に就任する。翌18年に開催されたFIFA U-20女子ワールドカップフランス2018で日本を初優勝に導く。同年11月にU-17日本女子代表の監督も務め、FIFA U-17ワールドカップウルグアイ2018で8強入り。19年は引き続きU-19日本女子代表を指揮し、AFC U-19女子選手権タイ2019で日本の3連覇を達成した。21年10月になでしこジャパンの監督に就任し、FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023はベスト8で終えた。2024年に控えるパリオリンピック出場を目指す。
ゼロからではなく
積み上げを
ASローマ(イタリア)
熊谷紗希
※本インタビューは9月9日にオンラインで実施しました。
―――FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023から約1カ月が経過しました。どんな大会だったと振り返りますか?
熊谷 大会中含めて、チームがどんどん良くなっていき、「このチームでもっと先へ」と、さらなるモチベーションになっていたので、ベスト8で終わってしまったのは「もったいない」という意味で悔しさがあります。一方で、世界に対して良い意味でのサプライズを起こせた感覚もあったので、ワクワクしながら戦いに臨めたという意味では楽しめました。
―――大会前からチームを作っていく難しさを話していました。チーム作りの過程はどう振り返りますか?
熊谷 自分だけでチームを作れるとは思っていません。自分がキャプテンに就任した2017年ごろにチーム作りの難しさは感じていました。その難しさを知った中、FIFA女子ワールドカップフランス2019、2021年の東京オリンピックを経験し、積み重ねが今に繋がったことは間違いないです。加えて、今大会のワールドカップでは選手一人ひとりの「チームのために」という意識の高さもあったと思います。
―――個人としてはFIFA女子ワールドカップドイツ2011で優勝を経験し、2012年のロンドンオリンピックでは銀メダル。一方で2016年のリオデジャネイロオリンピックには出場できないなど、ジェットコースターのような経験をしてきました。
熊谷 日本における女子サッカーの地位、認知度、人気含め、そのジェットコースターを体感してきました。2011年の優勝後の盛り上がりを知った中、なでしこジャパンが結果を出せなくなってからの人気の低迷も見てきました。代表選手としての責任があると感じましたね。多くの方に見てもらえるのはワールドカップやオリンピックのような大きな大会だと分かっていましたし、その責任も持って大会に臨みました。だからこそ、ベスト8でスウェーデンに勝っていれば、もう少し見てくれる方が増えたと思いますし、取り巻く環境含め、世界はさらに広がったとも思うので、その悔しさもあります。
―――ワールドカップを終え、世界に対してのチームの立ち位置、手応えはいかがだったでしょうか。
熊谷 ワールドカップまでの親善試合では、試合ごとに少し良くなるけど勝ちにつながらず、得点力不足が課題だと感じていた中、初戦のザンビア戦がすべてだったと思います。かなりの時間をかけて対策、準備をして、それが結果として実ったことが、間違いなく自分たちの大きな自信になりました。一方でスウェーデン戦では自分たちに足りなかったものも感じました。ただ、これだけやれることは証明できましたし、自分たちの自信にもなったので、個々の能力を上げることはもちろん、チームとしての方向性はこれを続けるしかないと思っています。
―――優勝したスペインにグループステージで4-0と勝利したことで、他国からの見られ方も変わると思います。
熊谷 大会後にいろいろな選手から直接メッセージをもらったり、「日本の戦いが一番良かったし、応援したくなるチームだった」と声をかけたりしてもらえたことは、素直にうれしかったです。だからこそ、勝ちたかった。このワールドカップで少なからずインパクトを残せたと思うので、あとは最低でもメダルを取るといった結果を残して、女子サッカーを知らない方に対してもインパクトを与えることが、ここから自分たちがすべきところ、次の課題ですね。
―――スウェーデンに1-2で敗れたベスト8の試合では、日本対策をしてきた相手に対しての対応に時間がかかってしまいました。課題はどのあたりにありましたか?
熊谷 スウェーデンが対策をしてきたこと、前半に失点してしまったこともあります。でも、前半の内容を考えても1失点で終われたことは、自分たちの中で良しとしていて。後半早々に2点目を取られましたが、相手のペースが落ちてくることを信じてやっていました。もちろん結果として勝てなかった。これが勝負ですし、結果がすべてですが、手応えとして90分の中で引き分けにできたチャンスはいくらでもあったと思います。前半45分間の途中で対応できなかった悔しさはあります。もう少し長い時間、相手に怖さを見せられたら、違った結果もありえたのかなと思います。
―――90分で引き分けにできたかもしれない結果を手繰り寄せられなかったのは、抽象的ですが、“勝ち癖”のようなものでしょうか。
熊谷 それは絶対にあります。スウェーデンはワールドカップとオリンピックを合わせて4大会連続でメダルを獲得していて、それだけの経験をしている選手たちがいます。日本もFIFA女子ワールドカップカナダ2015では、同じような理由で決勝まで行けたと思っています。それをどう越えていくかは、自分たちがやらないといけないことですし、今大会の自分たちに足りなかったものだと感じています。
―――池田太監督含めてのスタッフチームについてはいかがでしたか? 一体感、ファミリー感を作り出すアプローチを細かくしていたように、外から見ていて感じました。
熊谷 太さんが一番大切にしていることはそこだと思っています。スタッフはスタッフ、選手は選手というより、選手、スタッフ含めて一つのチームを作ろうと、太さん自身がしてくれていたと感じます。自分たちもそうしていきたいと思わせてくれるチームですし、それが選手、スタッフ全員で一体感を作り上げられた理由だと思います。
―――その中でチーム内でのポジション争いとのバランスもあります。
熊谷 大会の中で大きな競争が必要かどうかは、考えないといけません。ただ、大会は長いですし、それぞれの立場ができることは間違いなかったので、大会前に選手全員に「いろいろな状況があると思うけど、どんな状況でもチームのために自分に何ができるか、そこだけにフォーカスして、自分たちは進んでいこう」と話していました。誇り、自信を持って全員がそれをまっとうできたと言えます。選手それぞれの立場や行動すべてに目が届いているとは思いませんが、それがチーム力に繋がったことは間違いありません。すごく良いチームでした。
―――大会後、他の選手と意見交換をしたりしましたか?
熊谷 代表チームの宿命ではありますが、難しい点は、一つの大会を終えるとチームが解散し、もう一度、選考合宿に入るということです。でも、ワールドカップのチーム状態が最低限のベースにならないといけない、とは話しています。ゼロからではなく、ワールドカップからどんどん上に積み上げていかないといけない。それを可能にするのは個々が日頃、何をやるかに尽きるので、やるべきことをやりながら、短い時間で合わせていかないといけません。10月にはパリオリンピックのアジア2次予選も始まりますし、まずは出場権を勝ち取るところにフォーカスしてやっていきます。
―――そのオリンピック予選の厳しさについてお聞かせください。アジアの出場国枠は2カ国と狭き門です。
熊谷 正直、一番厳しい戦いだと思っています。ワールドカップを戦うより、ある意味厳しい。「ワールドカップが終わり、次は来年のオリンピック」と思いがちですが、まだ出場権すら取れていません。そして、これが一番大変です。しかも、東京オリンピックは開催国としての出場だったので、アジア予選を経験している選手が、今回のメンバーだと自分とヤマ(山下杏也加)以外いません。そこは口を酸っぱくして、一番厳しい戦いになると伝えたいです。(オリンピックに)行けるのが当たり前の世界ではない。ヨーロッパをはじめとした強豪国との対戦にはない、アジア勢との試合の難しさがあります。
10月にウズベキスタンで開催される2次予選は絶対に勝たないといけない戦いですし、簡単ではないことは、まず選手全員が意識をする必要があります。2次予選を突破した場合、最終予選はオリンピック出場を懸けたホームアンドアウェイによる直接対決の試合になります。ホームではアドバンテージを持った試合をしたいですし、サポーターの方からの応援がすごく重要になってくると思います。
―――オリンピック予選に繋げる意味でもアルゼンチン戦は重要になります。
熊谷 機会、時間を大切にしないといけません。予選まで時間がない中で集まって、試合をして、10日ほどですぐにクラブチームへ帰るという難しい試合ではあります。ワールドカップ前は時間があり、準備に自信を持って試合ができましたが、今回はそうはいきません。また、海外に移籍した選手も含め、調整の仕方などは詰めていかなければいけないので、そこを含めてしっかりやっていきたいと思います。
―――アルゼンチンの印象はありますか?
熊谷 FIFA女子ワールドカップフランス2019のグループステージで対戦して、0-0と苦戦した相手です。ヨーロッパでプレーしている選手もいて、個人技もある印象です。自分たちはしっかりボールを奪取して、やりたいことを長時間できる試合にしないといけません。相手のストロングを消しながら、自分たちの良いところを出していく。自分たちが成長するため、さらに上に行くために大切な試合にしたいと思います。
―――ワールドカップ後、初の試合となります。サポーターの方へのメッセージをお願いします。
熊谷 自分たちはワールドカップと同じようなモチベーションで戦い続けなければいけないと思っていますし、得点も期待していただいていると思います。そして何より、勝たなければいけないので、何より勝利にこだわって、日本で試合を見ていただける機会を大切にしながら、自分たちが向上するための大切な時間にしていきます。ぜひ応援していただきたいですし、楽しんでもらえる試合ができるように頑張るので、皆さんには楽しんでほしいです。
■過去の選手インタビュー掲載プログラム
2023年7月14日 パナマ戦(長野風花)熊谷 紗希[くまがい さき]
ASローマ/イタリア所属
1999年3月9日生まれ
東京都出身 160cm/53kg
国際Aマッチ21試合、1得点
(2023年7月11日時点)
真駒内南サッカースポーツ少年団→クラブフィールズリンダ→常盤木学園高等学校→浦和レッズレディース→1.FFCフランクフルト(ドイツ)→オリンピック・リヨン(フランス)→FCバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)→ASローマ(イタリア)
各写真をクリックすると、該当の選手プロフィール詳細が表示されます。
1.所属クラブ 2.所属チーム歴 3.生年月日 4.出身地 5.身長/体重 6.日本代表デビュー 7.国際Aマッチ出場数/得点数(2023年9月19日現在、GKの「得点」は失点数) 8.SNSアカウント
山下杏也加
YAMASHITA Ayaka
平尾知佳
HIRAO Chika
田中桃子
TANAKA Momoko
熊谷紗希
KUMAGAI Saki
猶本光
NAOMOTO Hikaru
田中美南
TANAKA Mina
三宅史織
MIYAKE Shiori
清水梨紗
SHIMIZU Risa
清家貴子
SEIKE Kiko
守屋都弥
MORIYA Miyabi
長谷川唯
HASEGAWA Yui
杉田妃和
SUGITA Hina
三浦成美
MIURA Narumi
林穂之香
HAYASHI Honoka
南萌華
MINAMI Moeka
長野風花
NAGANO Fuka
植木理子
UEKI Riko
宮澤ひなた
MIYAZAWA Hinata
宝田沙織
TAKARADA Saori
高橋はな
TAKAHASHI Hana
遠藤純
ENDO Jun
石川璃音
ISHIKAWA Rion
藤野あおば
FUJINO Aoba
日本女子代表
NADESHIKO JAPAN
日本サッカー協会
FIFAランキング:8位
(2023年8月25日発表)
スタッフ
選手
GK
山下杏也加
1995.09.29 INAC神戸レオネッサ
平尾知佳
1996.12.31 アルビレックス新潟レディース
田中桃子
2000.03.17 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
FP
熊谷紗希
1990.10.17 ASローマ(イタリア)
猶本光
1994.03.03 三菱重工浦和レッズレディース
田中美南
1994.04.28 INAC神戸レオネッサ
三宅史織
1995.10.13 INAC神戸レオネッサ
清水梨紗
1996.06.15 ウェストハム・ユナイテッド(イングランド)
清家貴子
1996.08.08 三菱重工浦和レッズレディース
守屋都弥
1996.08.22 INAC神戸レオネッサ
長谷川唯
1997.01.29 マンチェスター・シティ(イングランド)
杉田妃和
1997.01.31 ポートランド・ソーンズFC(アメリカ)
三浦成美
1997.07.03 ノースカロライナ・カレッジ(アメリカ)
林穂之香
1998.05.19 ウェストハム・ユナイテッド(イングランド)
南萌華
1998.12.07 ASローマ(イタリア)
長野風花
1999.03.09 リバプールFC(イングランド)
植木理子
1999.07.30 ウェストハム・ユナイテッド(イングランド)
宮澤ひなた
1999.11.28 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)
宝田沙織
1999.12.27 リンシェーピングFC(スウェーデン)
高橋はな
2000.02.19 三菱重工浦和レッズレディース
遠藤純
2000.05.24 エンジェル・シティFC(アメリカ)
石川璃音
2003.07.04 三菱重工浦和レッズレディース
藤野あおば
2004.01.27 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
アルゼンチン女子代表
ARGENTINA WOMEN'S NATIONAL TEAM
アルゼンチンサッカー協会
FIFAランキング:31位
(2023年8月25日発表)
スタッフ
選手
GK
バニナ・コレア
1983.08.14 ロサリオ・セントラル
アビガイル・チャベス
1997.07.11 ウラカン
FP
マリアナ・ラロケッテ
1992.10.24 オーランド・プライド(アメリカ)
アドリアナ・サクス
1993.12.25 ラシン
ロミナ・ヌニェス
1994.01.01 UAIウルキサ
エリカ・ロニグロ
1994.07.06 ロサリオ・セントラル
アルダナ・コメッティ
1996.03.03 マドリードCFF(スペイン)
ネレア・アグエロ
1997.10.14 グラナダ(スペイン)
ロレナ・ベニテス
1998.12.03 パルメイラス(ブラジル)
ソフィア・ブラウン
2000.01.26 レオン(メキシコ)
カタリナ・プリモ
2000.05.19 リバープレート
ダイアナ・ファルファン
2000.10.14 UAIウルキサ
パロマ・ファヒアノ
2001.10.30 リバープレート
ダリラ・イッポリト
2002.03.24 ポミリアノ(イタリア)
マリセル・ペレイラ
2002.05.11 サンロレンソ
パウリナ・グラマリア
2003.03.21 レッドブル・ブラガンチノ(ブラジル)
カタリナ・ロッジェロネ
2003.04.03 カリフォルニア州立大学ベーカーズフィールド校(アメリカ)
キアラ・シンガレラ
2003.12.05 アラバマ大学(アメリカ)
※再入場可
10:00 | 開門 |
---|---|
10:20頃 | フラッグベアラー募集 |
11:10頃 | 選手ウォーミングアップ (adidas選手サインボールプレゼント) |
11:30頃 | スターティングメンバー発表 |
11:50頃 | 選手入場 |
12:00頃 | 前半キックオフ |
13:00頃 | 後半キックオフ |
14:00頃 | なでしこハイタッチ (小中学生のみ/ピッチレベルにて) |
観戦アンケートにご回答いただくと、今回の試合で招集された日本代表選手の「直筆サイン入りグッズ」が抽選で当たります。
※写真はイメージです。
アンケートに回答するウォーミングアップに登場する際、選手がサイン入りミニボールをスタンドに蹴り入れてプレゼントします。
なでしこジャパン応援グッズをゲットしよう!
大人気サッカー日本代表の応援グッズを購入し、選手を後押ししよう!
商品名:サッカー日本女子代表 2022 ホーム レプリカユニフォーム
価格:11,000円(税込)
商品名:サッカー日本女子代表 アウェイ レプリカ ユニフォーム
価格:11,000円(税込)
商品名:サッカー日本代表ナンバータオル
価格:2,905円(税込)→(50%OFF)1,470円
当日会場限定販売商品のご紹介
・マッチデータオルマフラー2023.9.23:2,200円(税込)
・マッチデーユニフォームキーホルダー2023.9.23:1,000円(税込)
・マッチデーユニフォームベアキーホルダー2023.9.23:1,600円(税込)
2023年9月23日 国際親善試合 アルゼンチン女子代表戦 マッチデーグッズです。
対戦相手、試合日、試合開催地が入った限定デザイングッズとなっております。
サッカー日本代表応援プレゼントキャンペーン!
・フェイスペイントシールサービス(先着500名様)
・日本代表オリジナルグッズが当たるキャンペーンリーフレット配布
・読売新聞ほか、読売センター取り扱い商品のサンプル配布
いずれも数に限りがありますので、お早目にお立ち寄りください。
実施時間:開場~キックオフまで
選手と一緒にピッチに立てるフラッグベアラーを、ご来場の皆様から6名選出。スタンドでアピールしよう!
実施場所:座席スタンド
実施時間:10:20頃
参加費:無料
※中止になる可能性があります。
スタジアム内を巡りながら、隠された宝箱を探そう!
スタジアム内に3ヶ所設置された手がかりを巡りつつ、参加冊子に記載されたナゾトキに挑戦していただきます。ナゾを解き、見事場内に隠された宝箱を見つけることができたらクリア賞をプレゼントします。
受付場所:北サイドスタンドコンコース内
※受付で参加冊子をお受け取りください
実施時間:開場~ハーフタイム終了まで
※クリア賞の配布もハーフタイム終了までとさせていただきます
受付方法:先着順(500名様)
※参加冊子がなくなり次第、終了とさせていただきます
参加費:無料
推奨年齢:小学生以上
※大人の方だけでも参加いただけます
所要時間:約20分
JFA公式アプリ「JFA Passport」を新規ダウンロードいただくと、先着でオリジナルノベルティをプレゼント。
日本サッカー協会公式アプリ「JFA Passport」は、あなたに合ったニュースやお知らせ等が届くほか、限定動画の視聴やたくさんのサッカーイベント・限定キャンペーンに応募できます。
ブースにご来場いただき、その場でアプリを新規ダウンロードしていただいた方には、「JFA Passport」のロゴが入ったオリジナルノベルティ3種類の中からお好きなものを1つプレゼントします!(各種先着300個)また、すでにアプリをダウンロードしていただいている方には、オリジナルステッカーをプレゼントします!
実施場所:南サイドスタンドコンコース内
実施時間:開場~キックオフまで(予定)
ウォーキングフットボールは、歩いて行うサッカーです。
年齢、性別、サッカー経験などに関係なく、誰でも一緒に楽しむことができます。会場内にウォーキングフットボールを体験できるコーナーを設けます。仲間を誘って、動きやすい服装で、ボールを蹴れるシューズでご参加ください。
11月25日に福岡県で行われる「JFA×KIRIN キリンファミリーチャレンジカップ」もご紹介します。
憧れのなでしこジャパンとハイタッチしよう!
試合終了後に、小中学生を対象としたなでしこジャパンとのハイタッチ企画を行います。憧れのなでしこジャパンの選手達と触れ合える絶好の機会ですので、試合観戦を楽しんだ後、是非ご参加ください!
■概要
実施時間:試合終了~各セレモニー終了後(14:05頃)
実施場所:バックスタンド及び北サイドスタンド側ピッチ看板裏(ピッチレベル)
参加条件:小学生~中学生
※保護者の方の同伴はできません。お一人で行動できるお子様に限ります。
ピッチレベルへの入場場所:
各席種カテゴリーによって以下の4箇所からピッチにお入り頂きます。
①メインスタンド → 北サイドスタンド最前列の階段より
②バックスタンド → バックスタンド最前列の階段より
③北サイドスタンド → 北サイドスタンド最前列の階段より
④南サイドスタンド → 北サイドスタンド最前列の階段より
■注意事項
・発熱、咳症状等、体調に不安がある方の参加はご遠慮ください。
・荒天の場合は中止の可能性がございます。雨天決行ですが、傘の持ち込みは禁止とさせて頂きます。
・選手との写真撮影、サイン、プレゼントのお渡しは禁止とさせて頂きます。
・大きな荷物等のイベント実施の妨げとなるもの、飲食物はピッチレベルに持ち込まないでください。
・年齢を確認させて頂く場合があります。予めご了承ください。
・当日は運営スタッフの指示に従って行動してください。
特設ブースにてフェイスペインティング用のシールをお配りします。お友達やご家族みんなでフェイスペイントをして、一緒に盛り上がろう!
※顔に貼る、シールタイプのフェイスペインティングです。
※マスクに添付した際の色移り等、主催者側では一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
実施場所:【場内】1か所
実施時間:開場~ハーフタイム終了まで
参加費:無料
ご家族やご友人と一緒に撮影ができる記念撮影スポットが登場します。
※写真は一例です。当日の状況により内容は変更になる可能性があります。
各ブースや売店では、耳や言葉の不自由な方に安心・安全にご利用いただけるよう、筆談ボードをご用意しています。
必要な方は、お気軽にスタッフへお声掛けください。
今後の各男女代表チームの試合スケジュールは下記よりご覧ください。
大会関連動画
アルゼンチン戦ハイライト
アルゼンチン戦ハイライト
Team Cam
日本中に感謝を込めて
SNS動画
ティザー動画
メンバー発表会見
過去試合ハイライト